大富豪(大貧民)は、ローカルルールが驚くほど多いゲームです。友達の家や修学旅行で「え、それアリなの?」ともめた経験がある人も多いのではないでしょうか。

もめる原因は、ローカルルールを知らないことだけではありません。同じ名前のルールでも、細かい扱いが人によって違うことのほうがよくあります。この記事では、よく使われるローカルルールの意味を一覧で整理したうえで、解釈が分かれやすいポイントと、始める前に決めておくことをチェックリストにまとめました。

まずは基本ルールをおさらい

ローカルルールは、基本ルールに「足す」ものです。まずは基本ルールの認識を合わせておきましょう。

  • ジョーカーを入れたトランプを全員に配り切る
  • 強さは弱い順に 3・4・5 … K・A・2、ジョーカーは最強
  • 場に出ている札と同じ枚数で、より強い札を出していく(1 枚には 1 枚、ペアにはペア)
  • 出せない・出したくないときはパス。全員がパスすると場が流れ、最後に出した人が次を自由に出せる(この人を「親」と呼ぶ)
  • 手札を早くなくした順に 大富豪・富豪・平民・貧民・大貧民(平民は 5 人以上のとき)
  • 2 回戦からはカード交換。4 人なら、大貧民はいちばん強い札から順に 2 枚を大富豪へ、貧民は 1 枚を富豪へ渡し、上の人は好きな札を同じ枚数だけ返す

よく使われるローカルルール一覧

まずは採用されることが多い定番から。「解釈が分かれやすい点」が、もめごとの火種になりがちなところです。

ルール(別名)内容解釈が分かれやすい点
革命同じ数字を 4 枚出すと、強さが逆になる(3 が最強、2 が最弱)ジョーカーを混ぜた 4 枚でもよいか。ジョーカーの強さは逆にならないか
8 切り(8 流し)8 を出すと、その場で場が流れて自分が親になる8 を含む階段でも流れるか
都落ち前の回の大富豪が 1 番に上がれないと、その時点で大貧民に落ちる落ちた人はその回を続けるか、そこで抜けるか
縛り(マーク縛り・スート縛り)同じマークが続くと、場が流れるまでそのマークしか出せない何回続けば縛りになるか。数字が続く「数字縛り」も入れるか
階段同じマークの連番(例:♥4・5・6)を 3 枚以上まとめて出せるジョーカーで抜けを埋めてよいか
階段革命階段を一定の枚数以上出すと革命になる何枚から革命か(4 枚/5 枚)。そもそも採用するか
11 バック(イレブンバック・J バック)J を出すと、場が流れるまで強さが逆になる革命中に出したらどうなるか
スペ 3 返し場にジョーカーが 1 枚だけ出ているとき、スペードの 3 で返せる返したあと場が流れるか
反則上がり(禁止上がり)ジョーカー・2・8 など強い札で上がると、最下位扱いになるどの札が対象か(地域差がとても大きい)

次は、知っている人と知らない人に分かれやすいルールです。入れると展開が派手になります。

ルール(別名)内容解釈が分かれやすい点
5 飛び(5 スキップ)5 を出すと、出した枚数だけ後の人の番を飛ばす飛ばす人数が一周を超えたらどうするか
7 渡し7 を出した枚数だけ、次の人に好きな札を渡せる最後の札を渡して上がってよいか
9 リバース9 を出すと、順番が逆回りになる2 枚出したら元に戻るか
10 捨て10 を出した枚数だけ、手札から好きな札を捨てられる最後の札を捨てて上がってよいか
救急車(99 車)9 を 2 枚出すと場が流れる(「きゅうきゅう」の語呂)縛りや革命の最中でも使えるか
砂嵐3 を 3 枚出すと、場を流せるなどの特別な効果がある効き方が地域で大きく違う

このほかにも、仲間内だけで生まれたルールは数えきれないほどあります。名前だけで通じると思わず、内容を一言で確かめるのが安全です。

「公式ルール」はあるの?

全国で統一されたルールはありませんが、日本大富豪連盟という団体が、大会を開くためのルールをまとめています。柱になっているのは 革命・8 切り・都落ち・縛り(スート縛り)・スペ 3 返し の 5 つです。

定番に見える 11 バックが入っていないのは、少し意外かもしれません。弁護士ドットコムニュースのインタビュー(2022 年)によると、J を出すだけで革命と同じ状態を作れてしまい運の要素が強くなりすぎること、なかなか起こせない革命の価値を保ちたいことが理由だそうです。同じ記事では、8 を含む階段での 8 切りや階段革命も、上の身分が有利になりすぎるとして採用していないと紹介されています。

どれを入れるか迷ったら、この 5 つを基準にすると話がすぐまとまります。

ローカルルール同士が重なるともめるポイント

ルールを 1 つずつ見ると簡単でも、2 つが重なった瞬間にもめることがよくあります。代表的なものを挙げます。

  1. 革命中に 11 バック:逆の逆で「元の強さに戻る」とすることが多いですが、「革命中は 11 バックを無視」という遊び方もあります。
  2. 8 を含む階段:♠7・8・9 を出したら 8 切りになるか。連盟のルールでは流れませんが、流れるとする遊び方も広く見られます。
  3. 縛り中のジョーカー:ジョーカーはどのマークの代わりにもなれるので、縛りの最中でも出せるとすることが多いです。ただ、ジョーカーを含む出し方で縛りが始まるかどうかは分かれます。
  4. 最後の 1 枚を 7 渡し・10 捨てで手放す:渡したり捨てたりして手札がなくなったとき、そのまま上がりにしてよいかを決めておきましょう。
  5. 革命中の反則上がり:革命中は 3 が最強になります。反則上がりの対象が「2」なのか「そのときいちばん強い数字」なのかで、結果が変わります。

どれも正解はひとつではありません。大事なのは、ゲームの途中で決めないことです。自分に有利な場面で言い出すと、どうしても角が立ちます。

メンバー別・ローカルルールのおすすめの組み合わせ

11 バックや 5 飛び・7 渡しのような派手なルールを増やすほど逆転が起きやすく、絞るほど実力勝負に寄りやすくなります。集まった顔ぶれで選ぶのがおすすめです。

こんなメンバーおすすめの組み合わせねらい
初めての人がいる基本ルール+革命+8 切り覚えることは最小限で、逆転の楽しさはしっかり味わえる
いつもの仲間でわいわい上に加えて、縛り・階段・11 バック・5 飛び・7 渡し・10 捨て札がどんどん動いて、最後までだれが勝つかわからない
じっくり実力勝負革命・8 切り・都落ち・縛り・スペ 3 返し(連盟ルールの 5 つ)一発逆転のルールが少なく、読み合いが中心になる

初めての人がいるときは、1 回戦目をルール確認の練習にしてしまうのも手です。遊びながらのほうが、口で説明するよりずっと早く覚えられます。

テーブルに広がった、裏向きのトランプの山

始める前に決めておくことチェックリスト

最初の 1 分で、次の項目を声に出して確認しておきましょう。全部決めるのが面倒なら、太字の 5 つだけでも十分です。

  • 使うローカルルール(名前だけでなく、内容も一言で)
  • ジョーカーの枚数と扱い(最強の 1 枚として出せるか、ほかの札の代わりにもなるか)
  • 最初に出す人(ダイヤの 3 を持つ人/スペードの 3 を持つ人/じゃんけん)
  • 革命の条件(4 枚から? ジョーカー込みでも? 階段でも?)
  • 反則上がりの有無と、対象の札
  • カード交換の枚数(人数が 4 人でないときは特に)
  • 一度パスした人が、場が流れる前にまた出せるか
  • 何回戦で終わりにするか、最後の順位をどう決めるか

紙やスマホのメモに書いておくと、途中で「さっきはどうだったっけ?」となっても見返せます。

オンラインで遊ぶときは、ルールを画面で決めてから

離れた友達とオンラインで遊ぶときは、口頭の確認がしにくいぶん、始める前にルールを画面で決められるかどうかが大事です。

たとえば無料のゲームサイト LUDORA の大富豪では、この記事で紹介した定番ルールの多くを、対戦前に 1 つずつ「あり/なし」で選べます。判定はゲームの側が行うので、細かい扱いを口で確かめ合う手間が省けます。人数が足りないときは CPU を席に足せます。

よくある質問

Q. 大富豪と大貧民は違うゲーム?

同じゲームの呼び名の違いです。関東は大貧民、関西は大富豪と呼ぶことが多い、という説があります。

Q. 大富豪は何人で遊ぶのがいちばん楽しい?

4〜5 人がちょうどよいと言われます。3 人だと 1 人あたりの手札が多く、ゲームが長くなりがちです。6 人以上ならトランプを 2 組使う遊び方もあります。

Q. 革命は何枚から?

同じ数字 4 枚が一般的です。ジョーカーを混ぜた 4 枚を認めるかどうかは、事前に決めておきましょう。

Q. 8 切りは 2 枚・3 枚で出しても効く?

8 のペアや 3 枚組でも場が流れるとするのが一般的です。迷うのは「8 を含む階段」のほうなので、そちらを先に決めておきましょう。

Q. 都落ちした人はどうなる?

その時点で大貧民が決まり、手札を残したままその回から抜けるのが一般的です。次の回は大貧民として、強い札を渡すところから始まります。

Q. ローカルルールが多すぎて覚えられないときは?

全部を覚える必要はありません。その日に使うルールだけを決め、知らないルールは「今日はなし」で始めれば十分です。

まとめ

  • 大富豪のローカルルールは、名前より細かい扱いの違いでもめやすい
  • 迷ったら、連盟ルールの 5 つ(革命・8 切り・都落ち・縛り・スペ 3 返し)を基準にする
  • 2 つのルールが重なる場面(革命と 11 バック、8 を含む階段など)は先に決めておく
  • メンバーに合わせて、ルールを増やすか絞るかを選ぶ
  • 始める前の 1 分で、チェックリストを確認する

ルールのすり合わせさえ済めば、大富豪はだれとでも盛り上がれるゲームです。次に遊ぶとき、このチェックリストを思い出してみてください。